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金に縛られたくないのに。

金は不思議だ。

 

無ければ当然欲しいし、いくらあっても足りないと感じる。

 

これまた不思議なもんで、欲しい欲しいと思う気持ちが強くなればなるほど支出が増えていく。

しかしこれは実際に支出が増えているのではなく、支出が増えていると精神的に感じているのだろう。

 

出ていくお金を減らさなければいけないと思い焦るからひとつひとつの支出がボクサーのパンチのように私を追い詰めてくる。私はいつも防戦一方なのである。情けない。

 

日常生活を送っていて自分自身の情けなさを感じる事がこのごろ多い。

例えば、食料品を買おうとする時。

「…(今日は肉食いたいなあ)」なんて思って手に取ってまず見るのが100グラムあたりいくらなのか。

大体、「…(537円、これ高いな)」なんて思いつつ手に取った肉を元の場所に戻している。

 

そもそも私の肉の購入基準は100g100円前後なのだからそんな5倍もするものを買うはずがない(そもそも豚肉の価格と牛肉の価格を天秤にかけている時点でナンセンスなのだが)。

 

そのくせ、ガソリンのℓ/円に関しては、「たかだか数円上がったところで100円、200円の違いだろ」と無頓着であり、なんなら、そんなことを気にする人々を少し自分よりも下の人間だと思ったりしている。

 

かと思えば、2割引のシールが付いている食品を内心とても喜んで買っていたりもする。

 

自分の中での価値基準がブレにブレまくっている。

肉や割引に対する自分を情けなく思い、ガソリンに対する考え方を誇らしいとさえ思っている。

 

金に縛られたくないと思えば思うほど、金が金の偉大さを押し付けてくる。金から解放される日はまだまだ遠そうだ。